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人材育成支援|レポート Human Resource Development Support

ITトレンド調査「農業ワールド 2017」(日本ハイソフト)

2017年11月16日

農業ワールド2017_01

見学者:株式会社日本ハイソフト 若山 道雄

見学展示会概要

平成29年10月11日(水)~12日(木)の2日間に渡り、幕張メッセにて開催された展示会「農業ワールド2017」に参加いたしました。

農業ワールド2017は、

  • 「第4回 次世代農業EXPO」
  • 「第2回 第6次産業化EXPO」
  • 「第7回 産業資材EXPO」
  • 「第7回 道工具・作業用品EXPO」
  • 「第11回 ガーデンEXPO」
  • 「第14回 フラワー&プランツEXPO」

の6つの展示会が1つの会場で開催され、農業を中心としたさまざまなサービスやモノに触れることのできる展示会でした。

そのうちITと関連した「次世代農業EXPO」「第6次産業化EXPO」の展示会ブースを主に立ち寄りましたので、所感も含め現地調査の内容について報告します。

報告

展示会場全体について

展示会場は受付が数か所ありましたが、どこも行列ができており、主催企業によると2日とも約15,000人近くの参加者があったようで、この展示会内容への関心の高さを感じました。

企業ブースは800以上あり、その中でもドローンによる農薬散布や空撮、植物プラントを紹介するブースが多数見受けられ、多くの来場者が立ち寄っていました。また「スマート農業」「IT農業」をコンセプトにしたビニールハウス、水田状態のモニタリングや給水バルブの遠隔操作を紹介している企業ブースもいくつか見受けられました。

農業ワールド2017_02

参加者の傾向

参加者の傾向は、メーカーの方と農家の方が多い印象でした。男女比では男性がほとんどですが、出展企業は女性も2~3割おられました。

出展企業は商談目的の展示会とのこともあり、顧客やビジネスパートナーの獲得を目的とした出展が多い印象でした。

注目したサービス

水田水管理省力化システム

積水化学工業株式会社 様

水田は常に水の量を気にする必要があります。毎朝、水田を見に行き、水の量を調整する必要があるようです。水田の規模が大きくなればなるほど、その巡回作業が増え、炎天下の屋外で長時間作業となり、負担も大きくなります。その負担を大きく軽減してくれるのがこの『水田水管理省力化システム』です。

まず水田の給水バルブにソーラー発電で稼働する自動給水機を取り付けます。水位センサーで測定した水位を、インターネットを通じてPCやスマートフォンで確認でき、そのPCやスマートフォンで給水バルブを遠隔操作で開閉できます。このシステムは、自宅や外出先から水田の状態を把握し、管理することができます。

島根県は農家の高齢化が進んでいます。また「田んぼをするのは大変」というイメージも強く、後継者が継承しにくいという問題があります。その中でこのシステムは農作業の負担軽減、継承のしやすさ、お米の品質の向上が大いに期待できる大変魅力的なサービスです。

 

自律走行型の電動台車「アグビー」

中西金属工業株式会社 様

野菜や果物をたくさん収穫するとかなりの重量になります。農家の高齢化が進み、重たい荷物運びは腰はもちろんのこと、体全体への負担も大きいです。できれば農園内までトラックで行き、その場で収穫したいのですが、車が入れるようなスペースはありません。台車を使っても、野菜や果物をたくさん積むと台車を押すのさえ大変で、段差があると一苦労します。

「自動でついてきてくれる相棒のような台車があればいいのに…」

そこで開発されたのがこの自律走行型の電動台車『アグビー』です。

アグビーは、ひとりで走ることはもちろんのこと、センサーを使って作業者と一定の距離を保ちながら、ついてきてくれます。最大積載量は100kgで荷物だけでなく、時には腰かけて休むこともできます。1回の充電によるアグビーの稼働時間は8時間で農作業中は充電する必要もありません。

土壌センサーと連携し、土壌の水分量、地温、EC値(電気伝導率、肥料濃度の目安)、pH情報を収集し、専用のアプリで確認することができます。農薬散布も可能で害獣には果敢に立ち向かうようです。
まさに一緒に農作業をしてくれる「相棒」になることでしょう。

農業ワールド2017_03

【関連記事】
https://response.jp/article/2017/10/12/300996.html

所感

ITトレンド調査を通して初めて展示会に参加いたしました。

展示会では「自社としてはこのサービスやモノにどのように関わることができるだろうか」「導入費用やランニングコストはどのぐらいかかるだろうか」「サポート体制は整っているだろうか」という点を意識しながらブースを立ち寄り、出張の機会が少ない若手社員にとって、大変貴重な経験ができました。展示会で見聞きした内容を今後自社で共有することにより、弊社の新規事業の開拓、島根県の農業のITによる活性化へのきっかけに繋がればと考えています。

また各ブースでは実際の「営業」の様子を目にすることができました。準備不足を感じる企業ブースもあり、そのような企業ブースでは、立ち寄ったもののあまり内容が頭に入ってこない印象で、営業における準備の大切さを感じました。

今回のITトレンド調査で「ソフトウェア企業としてどのように農業に関わるか」「島根の農業をITで元気にするにはどうすればよいか」を実際のサービスを直に触れて考えることができました。

ITOC記入情報

今回の報告書は、「平成29年度若手エンジニアITトレンド調査委託」として島根県内IT企業に依頼しました。

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