松江南高等学校「ITOC人工知能ワークショップ」開催レポート
2020年11月24日
SDGsと科学技術フィールドワーク ~企業・団体の活動から学び、未来構想のタネを見つけよう~
しまねソフト研究開発センター(ITOC)では、島根県立松江南高等学校1年生を対象に人工知能ワークショップを開催しましました。松江南高等学校では、地域の課題解決について主体的に考えを深め、自らの生き方やありかたを深く考える学習の一環として「SDGsと科学技術フィールドワーク~企業・団体の活動から学び、未来構想のタネを見つけよう~」を実施されておられます。
このたび、同校からITOCへ受け入れ依頼がありましたので、ITOCが先駆的研究開発として取り組んでいる機械学習(AI:人工知能)をテーマにワークショップを実施しました。
実施概要
【 実施日 】
令和2年11月10日(火)
【 会場 】
しまねソフト研究開発センター
【 参加者 】
松江南高等学校1年生 10名
【 講師 】
しまねソフト研究開発センター 専門研究員 高木 丈智
実施内容
当日のカリキュラムは以下の通りです。
No | タイトル | 方式 |
1 | 人工知能(AI)についてのイメージ共有 | ワークショップ |
2 | AI・機械学習入門(座学) | 座学 |
3 | ふりかえり | ワークショップ |
人工知能(AI)についてのイメージ共有
今回参加された生徒の皆さんは、人工知能(AI)という言葉について聞いたことがあるものの、その言葉が表す具体的なイメージは持っていない状況でした。そこで、まずは各々が持っている人工知能に対するイメージを共有し、自分の知らないイメージや参加者全体で共感できるイメージ、あるいは疑問点などを共有するワークに取り組んでいただきました。
AI・機械学習入門(座学)
人工知能や機械学習の全体像についてスライドや動画を用いて学んでいただきました。人工知能を取り巻くテクノロジーの捉え方や、社会での活用状況について新たに知識を得ることで、各人が持っていた”ぼんやりとした”イメージとの相違点や新たなイメージを発見する時間を体験していただきました。
ふりかえり
冒頭のグループワークと座学での学びを通じて、「もっとも印象に残ったこと+その理由」と「今日の講座から学んだこと+その理由」について各人でふりかえりを行ったのちグループ別に意見交換することで、今後の探求活動との関わりについてイメージを膨らませる時間を設けました。
参加した生徒の感想
【もっとも印象に残ったこと】
- 現在のAIは今の暮らしにどう関わっていて、これがどう進化していくのかを知った。これからの暮らしはどうなっていくのかとてもわくわくした。
- 教師なし学習というものがあり、例えば、これは正解のないデータからルールなど見つけることもできるということに驚いた。
- 強化学習は、繰り返し行うことでどんどん成長して最適なものになるということで、すごい夢がある技術と思った。
- AIは仕事を奪うのではなく変える。AIによって自分たちの将来の幅が狭まるのかなと思っていたけど、AIは人間に出来ないことをしてくれるということが印象に残った。
【今日の講座で学んだこと】
- AIが出来るまでの過程、 教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つに分けられるということを学べました。
- AIは今後、より進化したものが社会実現され、もっと便利な社会になるんだなと思った。
- 人工知能により私達の仕事だけでなく、生活に大きな影響を与える。
- まだ今は弱いAIしかいないが、いずれ強いAIが出てきてその能力ははるかに超える。だから、AIにはできないような人間らしい仕事がでてくるのかなと思ったし、共存していく未来になるのかなと思った。
担当研究員より
今回は、参加していただいた生徒の皆さんのテクノロジーに対する興味・関心を刺激すること、また、テクノロジーと社会、あるいはテクノロジーと自分といった関わりを想像することで、今後の探求活動につながるネタ探しの一助となるようワークショップを構成しました。普段はIT企業のエンジニア向けの講座で扱う内容も含まれており、限られた時間の中では理解することが難しい内容もあったかもしれませんが、メモを取りながら熱心に説明を聴かれる様子や、グループワークでの活発な意見交換の様子など、真剣に取り組まれる姿勢がとても印象的でした。今回のワークショップでの学びや経験が活かされること、そして「SDGsと科学技術フィールドワーク」が生徒の皆さんにとって実りのある活動になることを願っています。
しまねソフト研究開発センター 専門研究員 高木丈智