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機械学習|レポート Machine learning

共同研究 「幼児教育における達成項目の予測モデリング」レポート

2019年06月21日

しまねソフト研究開発センターでは、京都大学、株式会社しちだ・教育研究所と共同研究に取り組んでおり、「時系列クラスタリングを利用した未就学児の学習データ分析」についての論文が、人工知能分野で最も権威ある会議の1つであるAAAIに併設開催されるEAAI(The Eighth Symposium on Educational Advances in Artificial Intelligence)において採択され発表をいたしております。
https://www.s-itoc.jp/report/reaserch_results/724
2018年は、同スキームで「幼児教育における達成項目の予測モデリング」というテーマで共同研究を行いましたので、以下に研究内容を紹介します。

共同研究概要

「幼児教育における達成項目の予測モデリング」
本研究では、子供の発達度合いを把握するために、保護者がチェックシートの項目に対して達成をチェックしたデータを対象とし、「チェックシート項目の将来予測」と、「チェックシート項目の欠損値補完」の2つの課題に取り組みました。その中で、オンラインショッピングサイトの商品推薦などで用いられる手法と同じ考え方に基づいた「テンソル分解」と呼ばれる手法を用いることで、高い精度でチェックシート項目の将来予測が可能であり、子供ごとの特徴を見つけ出すことができる可能性があること、また、400個を超えるチェックシート項目の中から項目ごとの影響度に応じて50個程度のチェック項目を選択した場合であっても高い精度で欠損値が予測可能であり、選択した項目が1個の場合でも難易度がおおよそ一致している項目は高い精度で予測が可能であることがわかりました。
これらの結果は、子供個人ごとの学習に対するフィードバックや、子供ごとに教育の内容を変更するアダプティブラーニングの実現、保護者が行うチェックの簡略化の実現などの可能性を示すものと言えます。近年、ラーニングアナリティクスと呼ばれる教育分野におけるデータ解析技術の利活用が米国を中心に進んでいますが、これらの取り組みは主に高等教育を対象としており、本研究での幼児期の教育を対象としたラーニングアナリティクスの検討はユニークな取り組みと言えます。

 

チェックシート項目の将来予測のイメージ図

 

チェックシート項目の欠損値補完のイメージ図

 チェックシート項目の将来予測のイメージ図 チェックシート項目の欠損値補完のイメージ図

共同研究実施期間

平成29年4月〜平成31年3月

担当研究員からのコメント

しまねソフト研究開発センター 専門研究員 高木 丈智

しまねソフト研究開発センターでは、本研究において特定の業務に最適化された状態で蓄積されていたデータをデータベースから抽出・解析して、分析作業に適した状態に統合するとともに、データの整合状態やデータ運用に潜在する課題点を抽出するなど、先端研究との橋渡しと既存業務やデータ運用に対するフィードバックを行いました。
特定のサービス実現や業務効率化を目的として導入されたシステムが蓄積したデータは、必ずしもデータ分析や機械学習に適した状態で保管されているとは限りませんが、適切な前処理と問題設定を行って活用することで、新たな活用方法の発見や問題点の抽出につながる可能性を秘めています。今後も、蓄積されたデータをデータ分析や機械学習などの技術と結びつけることで、新たな事業創出や改善活動に繋げられるよう共同研究等の支援活動に取り組んでまいります。

 問い合わせ先

公益財団法人しまね産業振興財団 しまねソフト研究開発センター(ITOC) 担当:徳田
〒690-0826 島根県松江市学園南1丁目2−1くにびきメッセ西棟4F
TEL:0852-61-2225 FAX: 0852-61-3322 itoc@s-itoc.jp

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