共同研究「機械学習活用による受発注業務の効率化及び負担軽減(卸売事業)」
2018年11月07日
機械学習を用いた共同研究実施報告
株式会社明石屋と、しまねソフト研究開発センター(以下:ITOC)は機械学習を用いた卸売事業における受注予測と発注業務の効率化について共同研究を行いました。
研究の結果、受注データを活用することで、発注業務の効率化や事務負担軽減が見込めることがわかりましたので報告いたいます。
共同研究の概要
研究テーマ
卸売事業における受発注データの分析
目的・内容
受注データ分析と機械学習を用いた受注予測による発注業務効率化と担当者の負担軽減
背景
約700アイテムもの受注管理データと在庫情報から人により発注量を算出し、発注業務を行っていた。このため、業務負担が大きいことと、過剰在庫となることが課題となっていた。
そこで、受注データを機械学習により学習し、一ヶ月間の受注量を予測することで発注業務の効率化と在庫の最適化が測れると考えた。
これを実現するため、ITOCへ相談いただき本研究を行うこととなった。
実施内容
過去3年間分の受注データ(実績)を商品別に分け、機械学習を行い実際の受注量と予測との差を確認。
商品によって予測と実績に差のあるものと差のないものがあったが、一ヶ月の期間で集計すると概ね正しい予測が出来ていた。このことから、高い精度で受注量を予測出来ると判断し、受注予測に基づいた発注のシミュレーションを行った結果、在庫量の最適化及び仕入れコストの低減に繋がる可能性が出てきた。
また、この予測を自動化することにより発注業務の軽減も実現できる。
ただし、本研究では対象商品を7品目としていたので、他の商品についても同様の調査を行う必要がある。
◆[従来の受発注と在庫量]
受注量と在庫量から人が発注量を計算
◆[機械学習を用いた受発注と在庫量]
過去の受注量から一ヶ月分の発注量を機械学習で予測
今後の展開
システム化に向け県内企業とプロトタイプを作成
- 本研究の成果を利用し、ユーザーが扱いやすいユーザーインターフェイスを備え、他のシステムとの連携機能を整備し、業務で利用しやすい形にする。
- 発注業務において、能力の個人差、人への過剰依存を排除し、誰が担当者となっても少ない負担で業務を行える可能性があり、同様の業務を行っている事業者への展開も期待できる。
- 将来的には発注における物流コストの最適化も目指し、物流クライシスにより課題となる入荷便の手配についても予測を活用したい。
ITOCは、今回のように共同研究を通じて、相談から具体的な解決までのソリューション構築支援を行っています。
お問合せ先
公益財団法人しまね産業振興財団 しまねソフト研究開発センター(担当:徳田)
〒690-0826 島根県松江市学園南1丁目2−1くにびきメッセ4F
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