名称: | MTRL KYOTO (マテリアル京都) |
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場所: | 京都市下京区富小路五条下ル |
URL: | https://mtrl.com/kyoto/ |
※本ページに掲載されているのは、2016年8月時点の情報となります。
コミュニティが生まれオープンコラボレーションの起点となること。
コワーキングスペースの利用が多いのはフリーランス(Web、デザイン系)。
デジタルファブリケーション機器は製造系を個人でやっている人が多い。小規模なものづくり事業者、プロダクトデザイナーや建築系の利用者も増えてきている。
また、企業のデザイン部門や企画開発部門の人がミーティングを行ったり、20人程度のワークショップを行うこともある。その理由は、企業の会議室で行うよりも、よりクリエイティブな場で良いアイディアが出やすいとのこと。
京都という土地柄、外国人の利用者も多い。クリエイティブ系、プログラマーなど、バックパッカーとして京都を訪れ、リモートワークをする、あるいは個人的な制作活動を行うといった利用がある。
運営元を同じくする「FabCafe Tokyo」「FabCafe MTRL」とは日々連携をとっている。今後は飛騨県飛騨市の「FabCafe Hida」とも連携を行っていく予定。
また、近隣では京都でFab事業を行う「YOKOITO(http://yokoito.co.jp/)」とパートナーシップを構築している。ファブラボ北加賀屋のメンバーとは個人的に交流があり、お互いのイベントに参加するなどしている。
京都工芸繊維大学(KYOTO Design Lab)と一緒にハッカソンを行うなど、大学機関とのコラボレーションは積極的に行っている。
地方自治体との協働プロジェクトも行っている。例えば、与謝野町との「YOSANO OPEN TEXTILE PROJECT」※を実施した。
※丹後ちりめんをはじめとする与謝野の「織り」の技術についてリサーチとプロトタイピングを行うプロジェクトhttps://mtrl.net/project/yosano/
専属のスタッフは3人。それぞれの経歴は以下。専属のスタッフは3人。それぞれの経歴は以下。
I. | 東京からUターンで帰ってきた。東京在住時は廃校活用施設で場作りをやっていた |
II. | デザインを専門でやっていた。ローカルのコミュニティづくりに興味があり参画した |
III. | プロダクトデザインをやっていてハンドクラフトを学びに来日した。ツールのオペレーター、翻訳をメインで行う |
プロダクトデザインや製造、エンジニアリングのプロフェッショナルはおらず、ひと・もの・ことを繋ぐファシリテーションする役割を担っている。また、スタッフは分業せずにマルチに対応しており、ファシリテーションしながら機材の説明やオペレータ業務も行い、コーヒーを煎れるなどカフェの対応も行う。施設での主催・共済イベントの企画・運営も各スタッフが行う。
関西にはファブ施設がまだ多くなく、そのような機材を自分ごととして使用する人が少ないとのことだったが、今後京都のように伝統のある文化や技術を持つ人に浸透していくと、新たな価値がもっと生まれる可能性が広がる予感がする。そしてそれは島根県に置き換えても同様で、仏閣、城、和紙や神楽など伝統文化が豊富で、そこの課題解決やコラボレーションによる新しい時代への価値創造へのアプローチのヒントとなるように感じた。
与謝野町の織物のプロジェクトはロフトワーク、職人さん双方にとって実験目的のプロジェクトであり、「職人さんが新しい表現への挑戦、実験できる場をつくる」という言葉が特に印象深かった。
そして、デジタルファブリケーション技術やファブの文化で重要視していることの一つは、伝統工芸などをアーカイブ化できること。技や仕組みだけでなく、そのストーリーも紐解いて、一緒に残せることに意味がある。なぜこの仕組なのか、なぜこの材料を使うのかといった背景や歴史を紐解いて向き合うことで、そこから派生する次の価値に繋げることが出来る。
また、木や鉄などの材料だけでなく、テクノロジーやプロダクトやネットワークも含めて素材として捉えて、セレクトしたものを体験できるショールームとして展示しているのは良いアイディアだと思った。そこから購入の相談が可能だというのも良い仕組みだと感じた。
株式会社ロフトワーク
(2016年8月現在)