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名称: ファブラボ北加賀屋
場所: 大阪市住之江区北加賀屋 5-4-12 コーポ北加賀屋
URL: http://fablabkitakagaya.org/

※本ページに掲載されているのは、2016年8月時点の情報となります。

施設の設置目的

一般市民が実験や創造的活動ができる環境をつくる目的で、周辺教育機関の教員を中心とした発起人が集まり設置した。

 

施設の設備、備品、その他通信や飲食提供などの環境

  • Wi-Fi
  • 刺繍ミシン、3Dプリンター、ペーパーカッター、レーザーカッター、ミリングマシン、CNCルーター
  • ファブラボ北加賀屋が入居しているシェアオフィス共同のスペース
    • 多目的スペースソファ、キッチン、バーカウンターのある交流スペース
    • ソファ、キッチン、バーカウンターのある交流スペース

 

施設の利用者

会社員やリタイアした人が趣味で利用することが多く、それぞれが興味のあるプロダクトを製作するほか、仕事で使う作業補助道具などを制作する利用者もいる。また、自身の技術の向上を目的とした取組みもあれば、販売やワークショップでの利用を目的にした開発も行われる。

クラフト系の人がデジタルファブリケーション機器を試すことも行われる
(例.革職人がレーザーカッターで彫刻を試してみる、木工職人がCNCルーターで家具や建具を制作してみる)

 

当該施設利用者が、現地で行えること。利用者の過去の実績など

  • Webからの予約による機材の利用
  • ワークショップなどのイベント利用者同士でのプロジェクト
    例. Fab Vehicle PJ
    http://fablabkitakagaya.org/project_archive/fab-vehicle-pj/
    デジタルファブリケーションと電子工作を用いたミニ四駆のカスタマイズプロジェクトで、機械設計、モデリング、プログラミング、それぞれのエキスパート(メンバーもフリーランス、会社員、教職員と多様)がチームを組んでプロジェクトが発足した。
    さらにキット化してワークショップをする(参加費:1人あたり22,500円)ところまで実現された。

施設が所在する周辺地域、日本国内、及び海外の他ファブ施設との連携実績

日本国内の他のファブラボとは、共同でワークショップを行うなど、連携ができつつある。

また、神戸市にあるMaker’s ( http://www.comnet-makers.com/ )とは提携を結んでおり、ファブラボ北加賀屋の会員であれば、学生価格でMaker’sの会員になることができる。(プロトタイピングはファブラボ北加賀屋で、その後の小ロットの量産はMaker’sで行うなど)

ただ、その他の周辺のファブ施設との連携は今後の課題で、どのような関係性を構築していくか模索している段階。

同じシェアオフィスに入るドットアーキテクツ(建築設計事務所: http://dotarchitects.jp/ )と協働して、マテリアライジング展( http://materializing.org/ )に出展。

海外との繋がりとしては、Fab Academy ( http://fabacademyjapan.org/ ) の受講窓口となっており、そこからの繋がりが生まれる状況であるが、具体的な他施設との協働の実績はまだない。

 

施設を維持する収益構造

  • 会費
    1人あたり3ヶ月毎に7,500円(月額2,500円)
  • イベント
    例.「科学技術と民族楽器の融合」
    3Dプリンタで作ることができる楽器の作り方からその演奏の仕方を学べるワークショップと、DJプレイをあわせたイベントを実施
    参加費 1人あたり1,000円
  • プロジェクトの受託
    国、自治体、企業などの事業への参加。
    例.総務省「ファブ社会における新しいものづくりの情報流通等に関する調査研究」への参加
  • 商業利用による利益からの使用料
    制作物の販売など、営利目的での利用によって利益が発生した場合、利益のうち10%をもらう(ただし、金額などは当事者の申告による)

 

施設の管理者、特にマネージャーの役割、当該者の経歴、得意分野

「番頭」という制度で運用している。
番頭はユーザー兼管理者であり、役割としては以下。

  • 鍵の開け閉め
  • 機材のメンテナンス
  • 利用予約の管理
  • 機材利用のサポート
  • 機材講習会の講師
  • 場のファシリテート

番頭は現在15名程度いて、常時2名が常駐する形となっている。

バックグランドは様々で、大学の教員、デザイナー、アーティスト、メーカーに務めているエンジニア、システムエンジニアなど。

番頭の中でも得意な分野とそうでない分野があるため、場のファシリテートや機材利用のサポートはベストエフォートである。さらに番頭もユーザーの立場であり、会費を払って利用している。

 

運営者、又は管理者の感じる施設の課題

  • 収益の強化と、規約面の整備
    運営費の支出で収支がほぼ同額となっており、今後活動の幅を広げるためにも収入を増やしていきたい。
    複数の会員でチームとなってプロジェクトを進める場合、例えば材料代のような細かな支出は誰がどう支払うのか、収入はどんな根拠でどう振り分けるのかといった細かなことの取り決めは現状プロジェクト毎に臨機応変に行っている。
    トラブルの原因になる可能性もゼロでは無いため、プロジェクトの規模も大きくして収益も増やしていくといったことを考える場合、収支に関する細かな取り決めについてもある程度指針を示していく必要があるかもしれない。

  • 他施設との連携
    他のファブ施設との連携実績がまだ少ないので、今後増やしていきたい

  • 運営の維持
    運営業務の中には、個人に紐付いているものも少なくなく、今後人が変わっても運用を維持できるような体制や仕組みづくりが必要

 

レポート

番頭制度での運用は、他のファブ施設の中でも独特の運用だった。

有志による共同体で運用することは、企業や助成金に依る必要がない反面、運用メンバーのボランティア精神で成り立っている部分もあった。

また、会員が場を利用した活動によって対価を得る場面や、支出が発生する場面での細かな取り決めなど(例.複数人でプロジェクトを進める場合の材料費など)は丁寧なケアが必要で、利用者間のトラブルに繋がりやすい。ファブラボ北加賀屋も活動を広げていく上でそこの部分を少し懸念しており、今後整備を検討していきたいという認識だった。

 

運営者

任意団体(有志の集まり)