出展報告 [Embedded Technology 2019(ET 2019/組込み総合技術展)]
2020年03月12日
令和元年11月20日(水)~22日(金)にパシフィコ横浜で開催されました、スマート社会を実現するエッジテクノロジー総合展「Embedded Technology 2019/組込み総合技術展」に、しまねソフト研究開発センターは福岡県と合同で「フクオカ&しまね mruby×IoTパビリオン」として出展しました。
Embedded Technology 2019 /組込み総合技術展
展示会の概要
ET&IoT Technology 2019は、AI・セキュリティ・ブロックチェーンといった最新技術から、MaaSの先にあるアプリケーションサービス(モビリティ)、5Gで広がるサービス(ロボティクス)、ブロックチェーンがもたらす新しいビジネスモデル(エネルギー)など進化が期待される応用分野にフォーカスし、実現されるスマート社会のセグメントを紹介する総合技術展として開催されました。
本年は、IoTの新潮流であるエッジコンピューティングをいち早くキャッチアップ、コア技術である「エッジテクノロジー」にフォーカス、その最先端情報を一望できる展示会として展開されました。
開催期間
令和元年11月20日(水)~22日(金) 10:00〜17:00 ※21日(木)は18:00まで
開催場所
パシフィコ横浜 【アネックスホール・展示ホール・会議センター】(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1)
来場者数
11月20日(水)6,420人(天候:晴)
11月21日(木)8,748人(天候:晴)
11月22日(金)7,867人(天候:雨)
トータル来場者:23,035人
展示ブースの様子
展示ブースでは、しまねソフト研究開発センターとして以下のデモ機の展示を行い、多くの組込みソフトウェア開発者の方々にお越しいただきました。
- mruby/c 評価ボード(PSoC)を用いたキャラクタLCDのメニュー操作のデモ
- 株式会社島根情報処理センターのmruby/cを標準搭載したマイコンボード「RBoard」
mruby/c 評価ボード | RBoard PIC32版 |
mruby/c 評価ボードでは、キャラクタLCDパネルによるツリー型メニューをmruby/cでデモ機に実装、来場者の方々に実際に操作いただきました。本デモ機における機能要求を紹介しながら、Rubyの特性を活かすことで少ない行数のコードで実装できることを取り上げました。
また、株式会社島根情報処理センターが開発したmruby/cを標準搭載するマイコンボード「RBoard」を展示しました。プログラミング教育向けとして4個のLEDを搭載しており、mruby/cを用いて動作をプログラミングで制御できます。さらに、Groveポートが採用されており、直感的にコネクタを装着するだけで様々なセンサを取り付けられます。デモ機では、Groveポートを使って温湿度や照度センサを接続、拡張性の高さを紹介しました。
来場者から「mruby/c」に対して、Rubyの特徴を引き継ぐ高い生産性、可読性の高さに多くの関心が寄せられました。特に、C言語と比較して、組込みソフトウェア開発におけるメンテナンスの容易性に高い評価が得られました。
出展ブース(全体) | 出展ブース(ITOC) |
スペシャルセッション
2日目の11月21日(木)に実施されたスペシャルセッションでは、mruby/cの共同開発者である九州工業大学・田中和明准教授による講演、IoTプラットフォームをはじめとしたmruby事例、まつもとゆきひろ氏とmruby技術者を交えたパネルディスカッションが行われました。
「ここまで来たmruby、mruby/c その技術と最新動向」
講演者:国立大学法人 九州工業大学 田中 和明 准教授
人工衛星、ゲーム、IoTなど幅広く本格利用が始まっているmruby、mruby/cの技術解説とその最新動向の紹介を行いました。Rubyを省メモリ化したmruby、さらにコンカレント性を追加したmruby/cが、今の時代に即したスピード感ある組込み開発に最適な言語であることをPRしました。
「IoTプラットフォームを始めとするmruby事例発表」
発表者:
・IoTプラットフォームPlato / SCSK九州株式会社
・mrubyを使ってETロボコン中四国地区大会を突破した話 / 学校法人斐川コア学園出雲コアカレッジ
・mrubyを使ったマイコンボード開発 / 「mruby/cの小さな世界」著者 影山 勝彦 氏
・mruby最新事例紹介 / 特定非営利活動法人軽量Rubyフォーラム 三牧 弘司 氏
mrubyを使った事例の紹介やLoRa通信を使ったIoTプラットフォームPlatoの最新動向の紹介を行いました。また、mrubyでロボコン本大会出場を果たした専門学校の取り組みや、個人でmruby/cを使ったマイコン作成に取り組んでいる事例などについて紹介しました。
「Matzと語るmrubyの今とこれから」
パネラー:
・Matz まつもと ゆきひろ 氏 / Ruby・mruby作者
・山根 ゆりえ 氏 / チームYamanekko代表
・田中 和明 氏 / 国立大学法人 九州工業大学 准教授
・モデレータ:石井 宏昌 氏 / 特定非営利活動法人軽量Rubyフォーラム事務局次長
Ruby/mrubyの生みの親、まつもと氏とmruby技術者がセッション形式でmrubyの今とこれからについて語ってもらいました。当日、まつもと氏はアメリカで行われているRubyConf 2019からライブ中継で登場いただき、mrubyのさらなる軽量化の取組など最新の取組状況についても紹介していただきました。
なお、今回のセッションでは、ETロボコン2019 中四国地区大会で、組込み向け軽量Ruby「mruby(エムルビー)」を開発言語として採用、総合優勝を果たした学校法人斐川コア学園 出雲コアカレッジ・原 拓海 氏に登壇いただき、動画も交えて、取組について紹介いただきました。この時の動画を、以下のとおり公開いたします。
メディア掲載情報
ITmediaのモノづくり技術専門サイト「MONOist」にて、出展内容のレポート記事を掲載いただきました。
Rubyがマイコンで違和感なく動く、「mruby/c」は新バージョンで実用段階へ
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1912/06/news070.html